Letter

ポラリトン凝縮体の量子流の全光制御

Nature Photonics 5, 10 doi: 10.1038/nphoton.2011.211

真空中の光子は質量の無い粒子で、あまり互いに相互作用をしないが、適切な非線形媒質中ではかなりの相互作用が現れ、量子流体に特有の流体力学挙動が生じる。今回我々は、半導体マイクロ共振器において光ビームによって形成され制御される人工ポテンシャル障壁に逆らって流れる、強いドレスト状態の光子(ポラリトン)のコヒーレントガスにおける、渦-反渦対の発生と操作について示す。ポラリトン流の光学的制御によって、光障壁より上流の渦対形成、量子流の超短時間励起の事例、逆流軌跡を持つ渦の発生などの新しい量子流体力学的現象を明らかにできる。さらに我々は、欠陥をきっかけにして流体力学的に発生した量子渦を恒久的に捕捉し保存する方法を実証する。これらの観測結果は、非平衡Gross–Pitaevskii方程式に基づく時間依存シミュレーションによって裏付けられる。

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