Letter

フェムト秒光パルスによる飛行時間測定 

Nature Photonics 4, 10 doi: 10.1038/nphoton.2010.175

<p>光パルスの飛行時間は、距離の直接的尺度として長く利用されてきた。しかし、従来の光パルスやマイクロ波を用いた最先端の測定精度は、最大でも数百マイクロメートルにすぎない。今回我々は、光学的相互相関法を用いたパルス繰り返し率の位相同期制御によってフェムト秒パルスのタイミングを調節し、飛行時間の精度をナノメートル領域まで向上させた。我々の実験は、5 msのサンプリングレートで空気中において0.7 kmの距離を測定した場合、パルス繰り返しが位相同期されると、アラン偏差が117 nmになることを示している。この値は、平均化時間を1 sまで増やすと7 nmまで減少する。このような性能向上は、周期的曖昧性なしに遠距離で維持され、測地測量、距離計、絶対高度計などのライダー用途に適している。また、この方法は、合成開口イメージングのために編隊飛行する衛星や一般相対性理論に関する遠隔実験などの未来の宇宙ミッションにも応用できるかもしれない。</p>

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