Letter

共鳴ナノ共振器プラズモンによる分子ホットエレクトロルミネッセンスの発生

Nature Photonics 4, 1 doi: 10.1038/nphoton.2009.257

<p>金属の近くにある機能性分子の放射特性を制御することは、ナノ光学における重要な課題であり、ナノスケールでのエネルギー移動や光操作の分野とプラズモニックデバイス開発において特に重要である。蛍光の周波数チューニングにさまざまな振電遷移(<I>S</I><SUB>1</SUB>(v′) → <I>S</I><SUB>0</SUB>(v))が利用できるにもかかわらず、これまで報告された金属の近くでの分子発光はKasha則に従って最低励起状態(<I>S</I><SUB>1</SUB>(0))から放射減衰が起こっていた。今回我々は、プラズモンの周波数をスペクトル的にチューニングすることによって、走査トンネル顕微鏡のナノ共振器内に閉じ込められたポルフィリン分子について、より高い振電準位の一重項励起状態(<I>S</I><SUB>1</SUB>(v′ > 0))から共鳴ホットエレクトロルミネッセンスが直接起こることを示す。また、我々は、予期せぬアップコンバージョン・エレクトロルミネッセンスの発生についても実証する。これらの観測結果は、局所的なナノ共振器プラズモンがエネルギーを調節できる強力なコヒーレント光源のようにふるまうことを示唆しており、これを利用すれば、励起と発光両方の強い共鳴増強によって分子エミッターの放射チャネルを能動的に制御できる。</p>

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