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磁気的に調節できリソグラフィー法で定着可能なフォトニック結晶を利用した構造色印刷

Nature Photonics 3, 9 doi: 10.1038/nphoton.2009.141

<p>蝶や孔雀など自然界の多くの生き物は、「構造色」として知られる光沢のある独特の色を示す。構造色は、表面にある周期的ナノ構造体と光との相互作用によって生じる。しかし、自然界に見られるこのようなナノ構造体を模倣するには、最新のナノファブリケーション技術が必要であるが、時間とコストがかかるうえにスケーラブルではない。本論文では、マスクレス・リソグラフィー・システムを利用し、単一材料を用いて逐次的に色を調節し定着させることにより、数秒以内に複数の構造色の高解像度パターンを形成したことを示す。我々は、ナノ構造の周期性を磁気的に変化させることによって色を調節でき、これらの構造を高分子ネットワーク中に光化学的に固定することによって色を定着できる「Mインク」という材料を考案した。また我々は、構造色印刷を実現するためのフレキシブルなフォトニック結晶を実証した。ここで報告した単純で制御性がよくスケーラブルな構造色印刷方式は、一般的な消費財の色生成に大きな影響を与えるかもしれない。</p>

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