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テラヘルツワイヤーレーザーをチューニングする

Nature Photonics 3, 12 doi: 10.1038/nphoton.2009.218

多くの生化学種にはテラヘルツ周波数に強いスペクトル指紋があるため、チューナブル・テラヘルツレーザーは、センシングや分光法への応用に望ましい。従来、レーザーの周波数は、弦楽器と同じようにチューニングされ、弦の長さ(波数ベクトルの縦成分)や張力(屈折率)を変えることによってピッチを変化させる。しかし、テラヘルツ半導体レーザーは、取り出し効率が低いため、そのような方法を実施することは困難である。今回我々は、横方向の寸法wが<λであるユニークな「ワイヤーレーザー」デバイスを利用した新しいチューニング機構を実証した。ワイヤーレーザーの近くに可動物体を配置することによって、共振器の外側を伝搬する導波モードの大部分が操作され、これにより共振周波数がチューニングされる。誘電体または金属いずれかの可動物体を用いることによって、連続的な単一モードのレッドシフトチューニングとブルーシフトチューニングが同一デバイスで実証されている。これらを組み合わせると、約3.8 THzの単一レーザーデバイスで約137 GHz (3.6%)の周波数チューニングが可能になる。

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