Letter

多重量子井戸に基づくフォトニック結晶における励起子-格子ポラリトン

Nature Photonics 3, 11 doi: 10.1038/nphoton.2009.190

<p>双極子活性原子や励起子の集団と真空電磁場とのコヒーレントな相互作用は、1954年ディッケにより初めてその概念が提示されて以来、広く研究されてきた。しかし、エミッターが周期的に配列した場合ばかりでなく、周期的に変調された誘電環境に置かれた場合でも、それらの相互作用はフォトニック結晶の電磁的なブロッホ波によって伝搬される。今回我々は、周期的に配列したGaAs&sol;AlGaAs量子井戸を用いてこの効果を初めて観測したことを報告する。我々の実験では、反射率の増加と励起子付近のフォトニックバンドギャップの再構成を通して、コヒーレントに結合したフォトニック結晶の励起子-格子ポラリトンの形成が明らかになっている。また、軽い正孔励起子と重い正孔励起子のハイブリッド型励起子-格子ポラリトンの実験的証拠も示されている。実験結果と理論を比較して、励起子とブロッホ波のコヒーレント結合が確認されている。最後に、我々は、電場によってこれらのポラリトン状態が調節されることを実証している。</p>

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