In This Issue

自由電子レーザーの小型化

Nature Photonics 2, 9 doi: 10.1038/JnphotonInThisIssue68319

新世代の自由電子レーザー(FEL)は、極紫外域や軟X線域を越えてさらに短い波長の高パワー放射を可能にし、新しい科学領域全体を開拓することを目的としている。世界中には現在開発中の施設が数多くある。その1つが日本のSPring-8小型SASE(自己増幅自発放射)光源(SCSS)である。今月号では、このプロジェクトに携わる科学者らが、SCSSのプロトタイプ機の特性評価について報告している。SCSS は競合装置と何が違うのだろうか。X線FELは、大きさが数キロメートルになる場合が多い。SCSSプロジェクトの目的は、小型化を可能にする技術を開発し、X線源をより多くの研究者が利用できるようにすることである。長さ55 mのプロトタイプ機は、波長51 nm~61 nm、最大パルスエネルギー30 μJでレーザー発振する。これらの成果は、2010年の本格的なSCSSの稼動時に予想されうる見事な性能を示すものである。

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