Letter

デコヒーレンスのない部分空間への任意状態符号化法を用いた量子もつれ光子対の耐雑音伝送

Nature Photonics 2, 8 doi: 10.1038/nphoton.2008.130

<p>量子コンピューティング、量子通信、量子計測などの量子情報タスクを効率よく忠実に実施するには、量子情報キャリアを保護するためのロバストで状態に依存しないデコヒーレンス抑制策を必要とする。今回我々は、ロバストな配信方式の実験的実証について報告する。この配信方式では、もつれた光子対のうち1個の光子を、状態依存性のない方式でデコヒーレンスフリー部分空間に符号化し、デコヒーレンスフリー部分空間から復号するのに成功した。我々は、ファイバー通信チャネル全体でもつれ状態の高忠実度配信を実現し、この方式が基準系の脆弱性に対してロバストであることも実証した。また、この方式は、状態依存性がないため、配信される光子が他の多くの光子ともつれているマルチパータイトな場合にも応用可能である。量子情報を非決定論的だが確実な方法で配信するこのようなロバストかつ普遍的な方式は、量子通信やコンピューティング・ネットワークの重要な構成要素となるだろう。</p>

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