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テレスコーピック・ピクセル

Nature Photonics 2, 8 doi: 10.1038/JnphotonInThisIssue67807

ディスプレイの効率向上は、携帯機器の消費電力低減およびバッテリーの長寿命化に非常に重要である。バックライトを利用する多くのディスプレイ技術、特にバックライト付きLCDは、偏光子やカラーフィルターが組み込まれているため、バックライト光の透過率が低い(5~10%)。今月号では、マイクロソフト社とワシントン大学のA Pyaytらの研究チームが、高効率「テレスコーピック・ピクセル」を形成するためにマイクロエレクトロメカニカル・システム(MEMS)技術を利用した新しい透過型ディスプレイ構成について報告している。実際、各ピクセルは小型望遠鏡のように機能し、主鏡および副鏡としてのMEMS金属構造体を備えている。電圧を印加すると、主鏡の形状が平面から放物面(「オン」状態)へと変化するため、光は主鏡で反射され副鏡に到達した後ピクセルを通過する。これに対して、主鏡が平面状の「オフ」状態のとき、光は副鏡に到達しないため、ピクセルを通過しない。それらのピクセルは1.5 msのタイムスケールでオン/オフ切り替え可能であり、オン状態のときバックライト光の約36%が透過可能であることが、予備実験で示されている。

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