Letter

チャープ・フォトニック結晶ファイバー

Nature Photonics 2, 11 doi: 10.1038/nphoton.2008.203

<p>フォトニック結晶によって、可視光波長に近い波長における光の導波と閉じ込めが非常に容易になった。極めて鋭い屈曲部を導入できるので、フォトニック結晶導波路は未来の集積光学デバイスの主要な要素となる。さらに、フォトニック結晶は、発光デバイスの自然発光特性の操作、マイクロキャビティにおける光の局在化を可能にし、負の屈折を生み出すのに役立つ可能性がある。特殊な種類のフォトニック結晶デバイスとして、中空コア・フォトニック結晶ファイバーがある。これは、数層の全く同じセルからなる周期的クラッドによって光を閉じ込めるものである。この設計によって、このようなファイバーの伝送損失が、狭い波長域において数dB km<super>−1</super>の値まで共鳴的に減少する。しかし、このシングルセル設計では、伝送帯域がやや狭帯域で3次分散特性がよくないため、フェムト秒域におけるこのような中空コア・ファイバーの応用は、一般的に困難である。したがって、これまでファイバー系のコンセプトでは、100 fs未満のパルスを長距離にわたって導波できなかった。今回我々は、フォトニック結晶に半径方向のチャープを導入することによって、一様な格子というパラダイムを破り、フォトニック結晶ファイバー設計に新しい自由度を与えるフォトニック結晶ファイバーの新コンセプトを実証し、以前の方法におけるパルス幅制約の多くを除いた。</p>

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