Letter

実時間分光法のための増幅した波長‐時間変換

Nature Photonics 2, 1 doi: 10.1038/nphoton.2007.253

<p>実時間分光法によって、動的過程、特に繰り返し起こらない現象の発展に関する貴重な情報が得られる。残念ながら、急速に変化するスペクトルを連続的に取得することは極めて難しい課題である。その1つの方法である波長‐時間マッピングでは、スペクトルをチャープして、シングルショットのオシロスコープを使って測定できる。本論文では、これまで波長‐時間分光法を悩ませてきた基本的な問題を解決する方法を実証した。この問題とは、微細なスペクトル分解能を得るには大きい分散が必要だが、それには極めて大きい光学損失が伴うことである。今回報告する手法では光学的に増幅した波長‐時間変換を使って分散と損失のトレードオフを解決し、高分解能、広帯域、実時間の応用が容易になる。この分散型の増幅プロセスは広帯域雑音でもポンプでき、単一のポンプ源を使って広い利得帯域幅を生み出せることが示された。我々は、この技術を適用して、実時間誘導ラマン分光法を実証した。増幅した波長‐時間ラマン分光法により、実時間で化学的や物理的な動的過程を研究する新しい機会が得られる。</p>

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