Letter

ホタルの生物発光の量子収率とpH感受性緑色発光による色変化

Nature Photonics 2, 1 doi: 10.1038/nphoton.2007.251

<p>ホタルの生物発光は、バイオフォトニクスにおいて最もよく知られた理想的な発光システムである。特に、<f>88 ± 25&percnt;</f>以上という極めて高い量子収率とpHに依存する黄緑色~赤色の大きな発光色変化で知られており、発光色変化については対応する2状態間の化学平衡としてモデル化されている。しかし、調べ直す必要があることも議論されてきた。本論文では、我々の新しい全光子束分光計(total-photon-flux spectrometer)を用いて量子収率と色変化を定量した。最高量子収率は<f>41.0 ± 7.4&percnt;</f>(1標準偏差(s.d.)推定値、包含係数<f><italic>k</italic> &equals; 1</f>)と決定され、生物発光スペクトルは1つのpH感受性ガウシアン成分と2つのpH非感受性ガウシアン成分に系統的に分解されることが見いだされた。黄緑色発光と赤色発光との間でpH平衡を通した強度変換は見られず、2.2 eVのpH感受性ガウシアンピークの単純な強度変化が発光色の変化を引き起こす。この結果は、色決定概念における長く続いたpH平衡に基づく古い解釈からのパラダイムシフトを表している。</p>

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