Article

ピクセル超解像プラズモニック光伝導テラヘルツ焦点面アレイ

Nature Photonics 18, 2 doi: 10.1038/s41566-023-01346-2

電磁スペクトルのテラヘルツ域で動作する撮像システムは、多くの不透明物質を透過し、さまざまな化学物質の独特なスペクトル的特徴をもたらす能力があるため、魅力的である。しかし、現実世界の応用におけるテラヘルツ撮像装置の使用は、主に適切なテラヘルツ焦点面アレイ検出器がないために、現行のシステムの速度が遅く、サイズが大きく、コストが高く、複雑であることによって制限されている。今回我々は、撮像される物体の超高速の時間的情報やスペクトル情報と共に、空間的な振幅分布や位相分布を直接得ることができるテラヘルツ焦点面アレイを報告する。これは、広帯域テラヘルツ放射を高い信号対雑音比で高速検出するよう最適化された、約30万個のプラズモニック光伝導性ナノアンテナの二次元アレイで構成されている。我々は、こうしたプラズモニックナノアンテナで収集した振幅データと位相データのマルチスペクトル性を用いて、シリコン基板にエッチングした超解像パターンや電池電極の欠陥を含むさまざまな物体を撮像した。今回のテラヘルツ焦点面アレイは、ラスター走査や空間テラヘルツ変調の必要性をなくすことで、最先端技術と比べて1000倍以上の撮像速度をもたらし、工業検査、セキュリティーチェック、医療診断などにおける広範な用途に適合する可能性がある。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度