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ナノ秒時間分解デュアルコム吸収分光法

Nature Photonics 18, 2 doi: 10.1038/s41566-023-01316-8

周波数コムによって、光学分光法の分野が変革され、多数の正確かつ精密な光周波数で分子系を調べることが可能になった。直接周波数コム分光法において大きな進歩が見られたが、こうした方法は、多くの生理化学的過程に特有のナノ秒時間スケールで高分解能スペクトルを記録できない。今回我々は、光周波数コムを生成する新しい方法を実証する。この方法では、近赤外領域において一対の電気光学コムが生成された後、単一の光パラメトリック発振器内において高い相互コヒーレンスと効率で中赤外領域に移される。こうしたコムの高出力、相互コヒーレンス、高速繰り返し率とともに、多くの分子種の大きな中赤外吸収によって、20 nsという短い時間スケールでの十分分解されたスペクトル遷移の記録が可能になる。我々は、この方法を適用して、超音速パルスジェット内で起こる高速ダイナミクスを調べた。しかし我々は、この方法が、化学物理学、量子物理学、大気化学、燃焼科学、生物学などの分野に広く応用できると指摘する。

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