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室温リュードベリ原子に基づく連続広帯域マイクロ波–光変換器

Nature Photonics 18, 1 doi: 10.1038/s41566-023-01295-w

マイクロ波系と光学系の結合は、本来的にエネルギーが大きく異なるため極めて難題であるが、量子コンピューター向け光インターコネクトから、次世代の量子マイクロ波センサー、検出器、コヒーレントイメージャーまで、さまざまな応用の可能性がある。出現した工学的プラットフォームのいくつかは、極低温環境、インパルスプロトコル、狭帯域場など、特定条件の制約を受けている。今回我々は、適度な装置を使って室温で光学光子とマイクロ波光子の広帯域結合が可能になるリュードベリ原子を用いた。我々は、リュードベリ原子のアンサンブルを用いて、あらゆる近傍周波数からのノイズ干渉を最小化するよう設計された自由空間6波混合プロセスを経て、13.9 GHz場から近赤外光信号への連続波変換を行ったことを報告する。このリュードベリフォトニック変換器は、57 dBの変換ダイナミックレンジと16 MHzという広い変換帯域幅を示した。我々は、光子計数を用いて、ノイズ等価温度3.8 Kまでの感度で、1.59 nV cm−1 rad−1/2 s−1/2 (3.98 nV cm−1 Hz−1/2)において、自由空間300 K熱背景放射の光子の読み出しを実証し、マイクロ波光子のHanbury-Brown Twiss干渉の観測を可能にした。

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