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添加剤処理によって得られる高性能鉛フリーペロブスカイト発光ダイオード

Nature Photonics 17, 9 doi: 10.1038/s41566-023-01231-y

スズ(Sn)系ペロブスカイトは、鉛フリーペロブスカイト発光ダイオードの実現に有望であるが、Snペロブスカイトには欠陥が高密度で存在するため、高効率デバイスの実現はいまだに大きな課題となっている。Snペロブスカイトにおける欠陥の形成については、まだよく分かっていない。今回我々は、in situ分光法を用いることによって、Snペロブスカイトの主要欠陥が、初期成長過程における高速クラスター凝集時に直ちに(スピンコーティングプロセスの開始から約15秒で)形成され、6秒以内にルミネッセンス強度の約80%が消光することを明らかにする。さらに我々は、前駆体溶液中のヨウ化スズ(II)と強い化学的相互作用を形成する添加剤が、高速クラスター凝集を効果的に阻止し、ルミネッセンス消光体の形成を回避することを見いだした。今回の方法を用いて、外部量子効率8.3%の高効率近赤外鉛フリーペロブスカイト発光ダイオードが実証されている。

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