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単一光子を用いた量子の最小作用の原理の実証

Nature Photonics 17, 8 doi: 10.1038/s41566-023-01212-1

最小作用の原理を用いれば、物理学の諸分野における運動方程式を導くことができる。従って、最小作用の原理は、ほぼ間違いなく物理学において最も基本的な原理である。しかし、ファインマンの経路積分に関するプロパゲーターが観測されていないため、この原理は、量子レベルでは実験的に実証されていない。プロパゲーターは、基本概念であり、経路積分の定式化における量子系のさまざまな重要な性質を含んでいるため、その実験的観測は、量子力学においてそれ自体が極めて重要である。今回我々は、量子波動関数を直接測定する方法に基づいて単一光子のプロパゲーターを理論的に提案し、実験的に観測した。さらに我々は、観測されたプロパゲーターの極値に基づいて自由空間と調和トラップにおける単一光子の古典的な軌道を得ることによって、量子の最小作用の原理を実験的に実証する。今回の研究によって、経路積分の定式化における量子理論の基本的な問題を実験的に調べる道が開かれる。

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