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リソグラフィーフリーの再構成可能なフォトニック集積プロセッサー

Nature Photonics 17, 8 doi: 10.1038/s41566-023-01205-0

集積フォトニクスは、本質的に高速であり、帯域幅が広く、無制限に並列処理できるため、データ通信量の増大を容易にしようとする流れの中で、極めて重要である。それを技術的に実現可能にするのは、高分解能フォトニック構造の作製を可能にする高精度リソグラフィーである。今回我々は、リソグラフィーで屈折率の実数部を変調することによってフォトニック機能が事前に決まる最先端技術とは全く対照的に、リソグラフィーを必要とせずアクティブ半導体プラットフォーム上で虚数部の時間的・空間的変調の動的制御を目指すフォトニック集積プロセッサーのリソグラフィーフリーパラダイムを報告する。我々は、光学利得分布を調節して既定の光学応答を合理的に実行し、所望のフォトニック機能を構成して光信号のルーティングとスイッチングを行う、虚数部駆動型の方法を実証している。我々は、リアルタイムの再構成可能性を利用して、極めて柔軟なフォトニック・ニューラルネットワークを実現し、高い精度で母音認識のin situ訓練を行っている。リソグラフィーフリー特性に本質的に起因するプログラム可能性と多機能性によって、複雑な計算アルゴリズムを実行し再構成する集積フォトニック信号処理の新しいパラダイムが得られ、情報処理速度を加速して長期性能要件が達成される可能性がある。

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