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エビにおける複屈折ナノ球の極薄層に由来する鮮やかな白色発色

Nature Photonics 17, 6 doi: 10.1038/s41566-023-01182-4

光散乱に関する基本的な問題は、「多重散乱に由来する白色発色をどうすれば薄い材料層から得ることができるのか」である。この難題は、約30%以上の充填率で充填された散乱体では、散乱体どうしの近接場結合によって反射率が大幅に減少するという、光学的クラウディング現象に起因している。今回我々は、イソキサントプテリンナノ球の極端な複屈折によって光学的クラウディング効果が克服され、エビの体内の非常に薄い色素胞細胞から多重散乱と鮮やかな白色発色が可能になることを示す。注目すべきことは、イソキサントプテリン分子の球状配列に起因する複屈折によって、ランダム球の充填がほぼ最大になるまで強い広帯域散乱が可能になることが、数値シミュレーションから明らかになったことである。これによって、鮮やかな白色発色に必要な材料の厚さが減少するため、より低い屈折率の空気媒体中で機能する他の生物起源白色材料や生体模倣白色材料よりも高い効率のフォトニック系が得られる。今回の結果は、そうした材料の性能を向上させるのに構造変数として複屈折が重要であることを浮き彫りにするとともに、酸化チタンのような人工散乱体に代わる、生物に着想を得た代替材料の設計に役立つ可能性がある。

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