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メカノラマン分光法による層状物質におけるシアーフォノンの直接特性評価

Nature Photonics 17, 6 doi: 10.1038/s41566-023-01181-5

シアーフォノン(shear phonon)は、層状物質における原子層の集団運動であり、機械的特性、熱的特性、オプトエレクトロニクス特性に関する重要な情報を運んでいる。同方向の原子層運動を伴うフォノン分枝は、層状結晶や層状ヘテロ構造における大域的構造や隠れた界面に関する特異な情報を運ぶが、電子・フォノン結合が極めて限定されているため検出できない。今回我々は、伝搬特性と、シアーフォノンと局所プラズモン共振器の力学的結合を利用し、メカノラマン分光法(MRS)を導入することによって最低で4 cm−1のエネルギーの基底状態シアーフォノンの直接特性評価の実現に成功した。MRSには、大域的結晶構造を108倍以上増強して評価する機能と、周囲条件下でサブピコメートルの変位を熱雑音なしで正確に測定する機能がある。伝搬挙動と光学的に隠れた界面を検出するMRSの能力が実証されている。プラズモンは広く調整可能なので、MRS法は、大域的結晶欠陥検出、メカノセンシング、光の機械的変調などの広範な応用向けのロバストなツールとなる。

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