Article

バレーホール・フォトニック・トポロジカル境界モードにおける強い後方散乱の観測

Nature Photonics 17, 5 doi: 10.1038/s41566-023-01189-x

光の特異な特性は、フォトニック量子技術、光インターコネクト、さまざまな新規センサーの構想を支えているが、欠陥における吸収や後方散乱のどちらかに起因する損失が、現在主な制限要因となっている。最近のトポロジカルフォトニクスの進展は、トポロジカル境界モードによる、後方散乱から保護された導波路の構想を促している。しかし、意外なことに、その伝搬損失の測定は、これまで行われていなかった。今回我々は、バレーホール・トポロジカル導波路のスローライト領域における損失の測定について報告するが、遍在する構造欠陥における後方散乱に対するトポロジカル保護を示すものは見つかっていない。我々は、トポロジカル導波路から外に散乱された光を画像化し、伝搬損失がアンダーソン局在に起因することを見いだした。光学ドメインに固有吸収を持たない材料について提案されたフォトニック・トポロジカル導波路は、量子スピンホール境界状態と量子バレーホール境界状態だけであるが、前者は強い面外損失を示す。従って、今回の研究は、相反フォトニクスにおけるトポロジカル保護の現実世界の価値について基本的な疑問を投げ掛けている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度