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ソリトンマイクロコムの非線形変換効率を超える

Nature Photonics 17, 11 doi: 10.1038/s41566-023-01280-3

レーザー周波数コムは、光時計の開発から、地球に似た系外惑星の発見に用いられる天文分光器の較正まで、21世紀における最もエキサイティングな科学的取り組みの一部を可能にしている。マイクロ共振器において生成される散逸Kerrソリトンは現在、フォトニック集積化の進歩を十分利用することによって、小型システムにおける周波数コムを実現する見通しをもたらしている。ソリトンマイクロコムに基づく応用の大半が、異常分散を示すよう設計されたマイクロ共振器の縦モードに連続波レーザーを調整することに頼っている。しかし、この構成では、高い出力変換効率での散逸Kerrソリトンの実現が非線形物理によって阻まれ、代表的なコム出力が、利用可能なレーザー出力の約1%になる。今回我々は、選択された共振器共振への制御可能な周波数シフトを誘導することによって、この基本的制約を克服できることを実証する。我々は、2つの線形結合した異常分散マイクロ共振器を用いてこのシフトを実験的に実現し、50%を超える変換効率と優れたライン間隔安定性でコヒーレント散逸Kerrソリトンを得た。我々は、この構成におけるソリトンダイナミクスについて説明し、大きく改良された特性を見いだした。今回の結果は、オンチップで利用可能なマイクロコム出力を最適化することによって、高エネルギー効率の用途向けのスケーラブルな集積フォトニックアーキテクチャーの実用的な実装を促進する。

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