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多様な基板における手書きのペロブスカイト・オプトエレクトロニクスデバイス

Nature Photonics 17, 11 doi: 10.1038/s41566-023-01266-1

日常生活によく使われる紙や布地は、次世代のフレキシブル電子デバイスやウエアラブル電子デバイスのプラットフォームとして大きな可能性を秘めている。しかし、さまざまな基板の上に発光ダイオードや光検出器を作製する戦略は、厳密な平坦性や平滑性が要求されることが多いため、量や種類の点で制限されている。今回我々は、紙、布地、プラスチック、エラストマー、ゴム、三次元物体などのさまざまな基板の上に多色ペロブスカイト発光ダイオードやペロブスカイト光検出器を手書きで作製する、汎用的かつスケーラブルで環境に優しい手法を開発した。今回の手法では、新たに調製した導電性ポリマーインク、金属ナノワイヤーインク、さまざまな発光色の複数のペロブスカイトインクを一般的なボールペンに充填して用いる。多色ボールペンで書くように、こうした機能性インクを用いて1層ずつ書くことによって、ペロブスカイト・オプトエレクトロニクスデバイスが数分以内に実現できるようになる。この工程は、専門的な訓練を受けていない個人が行うことができる。手書きのペロブスカイト発光ダイオードは、1万5225 cd m−2という高い輝度、6.65 cd A−1の電流密度、2.4 Vのターンオン電圧を示し得る。ペロブスカイト光検出器は、1万を超えるオンオフ比と、最大で132 mA W−1の応答度を示す。今回の研究は、電子テキスタイル、電子ペーパー、スマートパッケージング、その他の使い捨て可能なエレクトロニクスデバイスやウエアラブルデバイスなどの、安価かつ大面積の応用シナリオにおいて、ペロブスカイト・オプトエレクトロニクスデバイスを集積する方法をもたらす。

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