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光のトロイダル渦

Nature Photonics 16, 7 doi: 10.1038/s41566-022-01013-y

ボルテックスリング(渦輪)とも呼ばれるトロイダル渦は、回転する閉ループの擾乱で、液体や気体中で特徴的なリング形状を形成し、リング面に垂直な方向に伝搬する。ボルテックスリングは、よく研究されている構造であり、例えば、ヒトの心臓、水中の気泡、火山の噴火など、自然界のさまざまな流体流や気体流の状況においてよく見られる。今回我々は、等角写像を用いることによって生成した、マクスウェル方程式の新しい解として、フォトニック・トロイダル渦を実験的に観測したことを報告する。結果として生じた光場は閉ループに巻き付くヘリカル相を持つため、アジマス方向の局所的軌道角運動量密度が得られている。そうした興味深い光状態を作ることによって、他分野においてトロイダル渦の挙動を探るための知見が得られ、光物質相互作用、光学的操作、フォトニック対称性やトポロジー、量子情報において重要な応用が見いだされる可能性がある。

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