Letter

トポロジカル共振器面発光レーザー

Nature Photonics 16, 4 doi: 10.1038/s41566-022-00972-6

半導体レーザーは、小型、高効率、安価なので多くの応用に格好の光源であるが、出力とビームの質の2つが主なボトルネックとなっている。これらの欠点はいずれも、チップ面積が広くなると、マルチモード動作を用いずにシングルモードレーザーを安定化させることが、ますます困難になるという事実に起因している。今回我々は、二次元においてシングルモードの選択が最適になるディラック渦トポロジカル共振器を用いてこの基本的難題に対処した。今回のトポロジカル共振器面発光レーザー(TCSEL)は、ピークパワーが10 W、発散角が1°未満、サイドモード抑圧比が60 dBであり、1550 nmにおいてこれまで報告された中で最高の性能を示す。1550 nmという波長は、最も重要な通信波長であるとともにアイセーフ波長であり、高性能面発光体の作製が常に困難であった。また我々は、一般的に市販レーザーでは得られない二次元TCSELアレイの多波長機能を実証する。TCSELは、次世代高輝度面発光体として、他の波長領域にそのまま拡張でき、極めて幅広い用途に有望である。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度