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高輝度短波長赤外有機発光デバイス

Nature Photonics 16, 11 doi: 10.1038/s41566-022-01069-w

1~2 μm領域にわたる短波長赤外(SWIR)領域で発光する有機LEDは、バイオセンサー、生物医学イメージング、分光法、監視における応用に魅力的である。しかし、エネルギーギャップ則によって本質的な制約が課され、発光効率が極めて低くなるため、放射輝度が高いSWIR有機LEDの作製はまだ実現されていない。今回我々は、高い共平面性、剛直なπ共役骨格、極端に低い再配列エネルギー、電子–フォノン結合係数を有するアクセプター–ドナー–アクセプター型分子によって、非放射再結合速度の強い抑制と高電流密度での高い動作安定性が同時に得られることを報告する。我々は、放射照度が最大で直接太陽赤外光放射照度の7%に相当する3.9 mW cm−2の、電気的に駆動されるSWIR有機LEDを実現している。今回の知見は、広範な用途向けの新型有機SWIR光源への道を大きく開くはずである。

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