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ランタニド・ナノトランスデューサーによるインコヒーレント広帯域中赤外線検出

Nature Photonics 16, 10 doi: 10.1038/s41566-022-01042-7

中赤外(MIR)放射から可視(VIS)波長や近赤外(NIR)波長へのスペクトル変換は、分光法や撮像の基本技術である。しかし、現在のMIRからVIS/NIRへの変換技術は、大型の結晶やナノ共振器を用いる非線形光学デバイスに限定されている。今回我々は、レシオメトリックな発光の変化を利用して室温での広帯域MIRセンシングを可能にする、ランタニドに基づくMIRからNIRへのナノトランスデューサーについて報告する。NIR領域におけるランタニド・ナノトランスデューサーのレシオメトリックな発光は、4.5~10.8 μmの波長範囲のMIR放射によってインコヒーレントに変調できる。発光のレシオメトリックな変調によって、3 × 10−3のオーダ―の内部量子効率で約0.3 nW × μm−2という検出限界が可能になる。今回のランタニド・ナノトランスデューサーに基づくレシオメトリックなセンサーは、極低温冷却、偏光制御、位相整合、光閉じ込め用ナノアンテナ設計を必要としない。また我々は、室温MIR撮像を可能にする、ランタニド・ナノトランスデューサーを用いたカメラも開発した。我々は、今回のランタニド・ナノトランスデューサーを、チップ集積デバイス用のマイクロスケールMIR光操作に拡張できると予想する。

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