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極低温に適合可能な可視・近赤外200 mm CMOSアーキテクチャーにおけるプログラム可能な高速フォトニック回路

Nature Photonics 16, 1 doi: 10.1038/s41566-021-00903-x

フォトニック集積回路の最近の進歩によって、N入出力光学モードのユニバーサル線形光学変換が可能なカスケード型マッハ・ツェンダー干渉計を用いて実現される新世代のプログラム可能なマッハ・ツェンダー・メッシュ(MZM)が可能になっている。MZMは、フォトニック量子情報処理、量子増強センサーネットワーク、機械学習などの応用において、重要な機能を果たす。しかし、これまでに報告されたMZMの実装は、熱光学位相シフターに頼っており、応答時間が長く消費電力が大きいため応用が制限されている。今回我々は、200 mm相補型金属酸化膜半導体(CMOS)の工場で製造した大規模MZMプラットフォームについて報告する。このMZMプラットフォームは、窒化シリコン導波路と結合した窒化アルミニウム圧電光機械アクチュエーターを用いており、可視・近赤外波長域において低損失伝搬と100 MHz以上の位相変調が可能になった。さらに、圧電アクチュエーターのホールド電力消費が無視できるほど低いので、こうした集積フォトニック回路が極低温で動作可能になり、さまざまな量子応用向けの完全集積デバイスアーキテクチャーへの道が開かれる。

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