Article

単一微小共振器を用いた室温ポラリトニック非エルミート系

Nature Photonics 15, 8 doi: 10.1038/s41566-021-00820-z

非エルミート系におけるパリティー・時間反転対称性(PT対称性)によって、自発的対称性の破れが実現するため、直観に反する現象が生じる可能性がある。PT対称性をフォトニクスに取り入れるには、利得/損失プロファイルが反対称の結合系が必要である。光子は、本質的に相互作用しないので、近接場による間接的結合の媒介には、2光子成分の選択が不可避である。注目すべきことは、励起子ポラリトン(励起子と光子のハイブリッド)が励起子成分を介して直接相互作用することである。しかし、励起子ポラリトンモード間の直接結合の特徴は、これまで調べられていなかった。今回我々は、そうした直接結合によって、非エルミート系の従来のフォトニックプラットフォームを単一成分のポラリトニックプラットフォームに作り変えることができるため、結合系の集積化と設計の両方の自由度を向上できることを実証している。我々は、6回対称性の微小共振器に注目し、縮退フォトニックモードを利用した。我々は、損失変調による直接結合を用いて、対称性が破れていない相から破れた相への相転移を伴う室温ポラリトニックPT対称性を観測し、損失の増大にもかかわらず非エルミート縮退におけるポラリトン凝縮体のしきい値が最低になることを明らかにしている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度