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波長スケールの黒リン分光計

Nature Photonics 15, 8 doi: 10.1038/s41566-021-00787-x

設置面積が小さいオンチップ分光計は、センシング、監視、スペクトル撮像などの重要な応用における将来性が有望であるため、幅広く研究されている。既存の大半の小型分光計では、大規模な光検出素子アレイを用いて入射光のさまざまなスペクトル成分が獲得され、そうした成分からスペクトルが再構成される。今回我々は、独特なスペクトル学習方法とともに、有効設置面積わずか9 × 16 μm2の単一の調整可能な黒リン光検出器を利用した、スペクトル範囲2 μmから9 μmの中赤外分光計を実証する。そうした単一検出器分光計のサイズは小さく、動作波長スケールである。我々は、調整可能な黒体光源のスペクトルから学習した、波長とバイアスに依存する応答行列を利用して、対応する光応答ベクトルから未知スペクトルを再構成した。今回の単一検出器分光計は、黒リンにおける強いシュタルク効果と調整可能な光物質相互作用によって可能になっており、単色光と広帯域光の両方のスペクトルの再構成において注目すべき可能性を示している。さらに、今回の分光計は、電気的再構成可能性を示すとともに、大型の干渉計や回折格子を用いない超小型構造なので、オンチップ中赤外分光法やスペクトル撮像への道を開く可能性がある。

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