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ゲルマン酸ビスマスにおける硬X線過渡回折格子分光法

Nature Photonics 15, 7 doi: 10.1038/s41566-021-00797-9

光領域の過渡回折格子(TG)分光法は、時間領域における振動自由度、磁気自由度、電子自由度を調べるのに用いられる汎用的なバックグラウンドフリー四波混合技術である。新たに開発されたコヒーレントX線自由電子レーザー光源によって、そのX線領域への拡張が可能になる。X線は、TGに複数の利点をもたらす。すなわち、X線は、侵入深さが大きいので物質のバルク特性の探査を可能にし、元素特異性を示すので内殻励起状態に対応でき、波長が短いのでかつてない運動量移行と空間分解能で励起回折格子を形成する。今回我々は、7.1 keVの硬X線領域においてTG励起を実証する。ゲルマン酸ビスマス(BGO)において、非共鳴TG励起によってコヒーレント光学フォノンが生じ、光プローブパルスの回折によって時間の関数として検出される。今回の実験は、物質のバルク特性を探査できることを実証しており、X線プローブを用いたナノスケールのTG空間周期を伴う超高速コヒーレント四波混合技術への道を開くものである。

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