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光学的に参照した300 GHzミリ波発振器

Nature Photonics 15, 7 doi: 10.1038/s41566-021-00790-2

光周波数コムによる光周波数分割は、マイクロ波計測学の飛躍を可能にし、それまで得られなかった雑音性能をもたらした。この方法をミリ波領域やテラヘルツ波領域に拡張することは、非常に興味深い。集積フォトニックチップにおける散逸性カー・ソリトンには、10 GHzから1 THzの非常に高い繰り返し率の光周波数コムを実現するというユニークな特徴があるため、ミリ波領域やテラヘルツ波領域の光周波数分割に適した手段となる。今回我々は、散逸性カー・ソリトンを通して光学的に搬送された3.6 THz参照波の300 GHzへの光周波数分割を、超高速単一走行キャリア・フォトダイオードを用いて光検出して実験的に実証している。試験用の300 GHz信号にロックされたマイクロ波参照位相の評価に基づく新しい測定システムによって、従来の技術的限界を克服するアト秒レベルのタイミング雑音感度が得られた。今回の研究は、散逸性カー・ソリトンを、基礎的応用や民生応用においてブレークスルーが期待されるミリ波やテラヘルツ波の分野の先端技術として位置付けるものである。

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