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複雑媒質における散乱不変光モード

Nature Photonics 15, 6 doi: 10.1038/s41566-021-00789-9

無秩序媒質におけるランダムな光散乱は、基本的にさまざまな応用と関連がある興味深い現象である。波面整形や透過行列測定などの手法によって、先進的イメージングコンセプトの著しい進歩が可能になったが、無秩序媒質を通して鮮明な画像を得る最も有効な戦略は、依然としてバリスティック光のフィルタリングである。しかし、散乱を受けずに伝搬するバリスティック光子の割合は指数関数的に小さくなり、その割合を増やすことができる方法は知られていない。我々は、この制約に取り組むために、無秩序試料を通って散乱するか、均質媒質を通ってバリスティックに伝搬するかにかかわらず透過場のパターンが同じになる、散乱不変モード(scattering invariant mode)と名付けた新しい光学的状態を提示し、実験的に実現した。我々は、高密度散乱媒質中でわずかしか減衰しない散乱不変モードを観測し、バリスティック光との相関を用いて散乱材料内部のイメージングを改善できることをシミュレーションで示している。

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