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高効率かつ狭線幅で発光する安定した純青色超蛍光有機発光ダイオード

Nature Photonics 15, 3 doi: 10.1038/s41566-020-00745-z

有機発光ダイオード(OLED)は、将来世代のディスプレイ向けの有望な光源技術である。大きな進歩を遂げたにもかかわらず、色純度、寿命、効率が応用に十分な青色OLEDの作製はいまだに困難である。今回我々は、高効率(1000 cd m−2において外部量子効率32%)、狭い発光線幅(半値全幅19 nm)、優れた安定性[初期輝度1000 cd m−2から輝度が95%に低下するまでの時間(LT95)が18時間]を示す純青色(国際照明委員会(CIE)色度座標 0.13, 0.16)のOLEDを報告する。この設計は、ヘテロドナー型TADF(HDT-1)と呼ばれる熱活性化遅延蛍光(TADF)を示すスカイブルーのアシストドーパントから純青色発光体への一重項励起状態エネルギー移動を改善した2ユニット積層タンデム超蛍光(hyperfluorescence)OLEDに基づいている。素子作製と手順をより厳しく管理することによって、デバイス寿命がさらに向上して市販の青色蛍光OLEDに匹敵するようになると予想される。

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