Letter

高強度光場のスピン軌道相互作用の光電子マッピング

Nature Photonics 15, 2 doi: 10.1038/s41566-020-00709-3

量子粒子のスピン角運動量と軌道角運動量の相互作用は、自然界の至る所に存在する。光学においては、スピン軌道光学現象が光物質相互作用と密接に関係しており、大いに関心を集めてきた。レーザー技術が進歩した今では、高出力超高速光源が、極端条件下の物質挙動の解明における不可欠なツールとなっている。高強度光のスピン軌道相互作用に関する包括的な知識は、極めて重要である。今回我々は、強場領域における光学的な軌道からスピンへの変換のin situ調節と可視化について報告する。我々は、スリットによるフェムト秒円柱ベクトル渦パルスの形態操作を通して、光子の軌道角運動量を制御して集光後にスピンに変換できることを示している。強場イオン化実験を用いることによって、光電子運動量分布を通して軌道からスピンへの変換を画像化し測定できる。そうした高強度レーザー場のスピン軌道ダイナミクスの検出と結果としての制御は、光電子ホログラフィーやコヒーレント極端紫外放射の制御に影響を及ぼす。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度