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有機半導体界面での三重項生成が可能にする固体中での高効率フォトンアップコンバージョン

Nature Photonics 15, 12 doi: 10.1038/s41566-021-00904-w

光子のエネルギー(すなわち光の波長)は、フォトンアップコンバージョンと呼ばれる過程において、物質との相互作用を通して高めることができる。有機固体におけるアップコンバージョンは、太陽電池や生体撮像などのさまざまな応用に重要であるが、従来の項間交差(ISC)に基づくアップコンバージョンシステムには効率が悪いという問題がある。今回我々は、有機半導体のヘテロ接合を用いた新しいアップコンバージョンシステムを報告する。このアップコンバージョンは、界面での電荷移動状態を介した電荷の分離と再結合を通して起こる。今回の過程は、一般的に重原子効果によって促進されるISCに頼らずに、入射光子を三重項に効率よく変換できる。結果として、従来のシステムで実証された外部量子効率より2桁外部量子効率が高い固体アップコンバージョンシステムが実現された。この結果を用いて、フレキシブル有機薄膜上において、弱い発光ダイオード誘起励起の下で、近赤外光から肉眼で観察可能な可視光への高効率アップコンバージョンが実現できた。

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