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六次元光軌道角運動量多重化のための合成らせん二色性

Nature Photonics 15, 12 doi: 10.1038/s41566-021-00880-1

直交データチャネルの形成による光多重化によって、密度とセキュリティーが大幅に改善された比類のない情報符号化方法が得られている。光の軌道角運動量(OAM)が物理的直交分割を伴うという事実にもかかわらず、ナノスケールでの明示的なOAM感度が不足しているため、この特徴によるナノフォトニック情報符号化の実現が阻まれている。今回我々は、光のOAMを利用したナノスケールの情報多重化の実現可能性を実証している。これは、非近軸集束条件におけるOAM依存性偏光楕円、ひいては異なる次数のOAMビームに対するアキラルナノ粒子の特異的な吸収に起因する合成らせん二色性を発見することによって、達成されている。この機構を利用して、サブ波長スケール集束OAMビームを自己集合プラズモニックナノ凝集体に適用することによって、波長、偏光、3つの空間次元と併せて、六次元光情報多重化がさらに可能になる。今回の結果は、ナノフォトニック情報符号化やセキュリティーインプリンティングなどのための無限の自由度としてOAM分割多重化の可能性を示唆している。

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