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光通信窓において調整可能な発光を室温で示す、溶液プロセスで作製されたPbS量子ドット赤外レーザー

Nature Photonics 15, 10 doi: 10.1038/s41566-021-00878-9

溶液プロセスで作製された半導体レーザーは、有機半導体、ペロブスカイト、コロイド半導体ナノ結晶に関するものを含めて、ナノ材料研究コミュニティーで多くの成功を成し遂げた。こうしたレーザーは、他のフォトニック部品との集積化が容易であるとともに、新しい大面積作製技術(ロールツーロール法など)を用いてスケールアップできる可能性があるため、フォトニック集積回路、通信、化学センシングやバイオセンシング、セキュリティー、ラボオンチップ実験など、さまざまな応用に使用できる安価なフォトニック光源として魅力的である。しかし、光ファイバー通信や自由空間光通信、目に安全なLIDARへの応用向けの、溶液プロセスによる室温レーザーの実現はまだ難しい。今回我々は、溶液プロセスで作製し、分布帰還型共振器上に集積させたPbSコロイド量子ドットからなるレーザーを報告する。このレーザーの発振波長は、1.55 μmから1.65 μmまで調整可能である。また、このレーザーは室温で動作し、線幅は約0.9 meVと狭い。

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