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純粋な4次のソリトンレーザー

Nature Photonics 14, 8 doi: 10.1038/s41566-020-0629-6

超短パルスの生成は、入念な分散管理に依存している。これまでの分散管理では、2次分散のみが対象となり、より高次の分散は最小限にすべき厄介なものとして扱われていた。今回我々は、この高次の分散を戦略的に活用して、未踏の超高速レーザー動作領域に到達できることを示す。特に、今回のモードロックレーザー(共振器内スペクトルパルス整形器を備える)は、4次分散とカー非線形性の相互作用に起因する純粋な4次のソリトンパルスを放出する。位相分解測定によって、パルスエネルギーがパルス持続時間の逆数の3乗に比例することが示されている。これは、エネルギーがパルス持続時間の逆数に比例する従来のソリトンと比較して、純粋な4次の短ソリトンのエネルギーが強く増強されることを示唆している。今回の結果は、超高速レーザーを実現する新しい方法を実証しているだけでなく、より根本的には、より高次の分散を用いる光パルス制御を明確化して、非線形光学とその応用における革新を可能にするものでもある。

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