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超伝導ナノワイヤー単一光子検出器による3 ps未満の時間分解能の実証

Nature Photonics 14, 4 doi: 10.1038/s41566-020-0589-x

単一光子検出器の時間分解能の向上によって、古典的光通信システムと量子光通信システムの両方においてデータレートと伝送距離の増大、レーザー測距では空間分解能の向上、医用生体イメージングではより短寿命のフルオロフォアの観察が可能になる。近年、近赤外域で利用できる最高効率の時間分解単一光子計数検出器として超伝導ナノワイヤー単一光子検出器(SNSPD)が登場したが、検出過程に関わる時間スケールが十分調べられていないため、SNSPDデバイスにおける時間分解能の基本的限界はあまり解明されていない。今回我々は、SNSPDにおける検出待ち時間(detection latency)を調べる実験的手法を導入し、待ち時間の短い材料を利用することが低タイミングジッターを実現するカギであることを示す。我々は、特殊な窒化ニオブSNSPDを用いることによって、このシステムが可視波長で2.6 ± 0.2 ps、1550 nmで4.3 ± 0.2 psという優れた時間分解能を示し得ることを実証している。

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