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層間分子相互作用を調整した安定な高効率Ruddlesden–Popper型ペロブスカイト太陽電池

Nature Photonics 14, 3 doi: 10.1038/s41566-019-0572-6

二次元Ruddlesden–Popper相(2DRP)ペロブスカイトは、三次元(3D)Ruddlesden–Popper相ペロブスカイトと比べて、高い光安定性と環境安定性を示すことが知られている。しかし、大きなアルキルアンモニウムと2DRPペロブスカイト骨格の相互作用について基本的な疑問が残っている。今回我々は、新しい大きなアルキルアンモニウムである2-(メチルチオ)エチルアミンの塩酸塩(MTEACl)には硫黄–硫黄相互作用が存在することを明確に示す。弱いファンデルワールス相互作用に加えて、2つのMTEA分子の硫黄原子間の相互作用によって、電荷輸送と安定化が促進された(MTEA)2(MA)4Pb5I16n = 5)ペロブスカイト骨格が可能になる。その結果、効率と安定性が著しく改善された2DRPペロブスカイト太陽電池が得られた。湿度70%の条件下で最高1512時間の耐湿性、85℃で375時間の熱安定性、連続光ストレス下での安定性(最大電力点で1000時間の動作時間にわたって初期効率の85%が維持される)を示すとともに、電力変換効率が18.06%(認証効率17.8%)に達する電池が実現された。

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