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三重項のマネジメントによる高効率ペロブスカイト発光ダイオード

Nature Photonics 14, 2 doi: 10.1038/s41566-019-0545-9

ペロブスカイト発光ダイオードは、色純度が高く性能が優れているため、次世代の照明やディスプレイに有望である。一重項励起子と三重項励起子のマネジメントは高効率有機発光ダイオードの設計の基本であるが、ペロブスカイトデバイスや擬二次元(2D)ペロブスカイト系デバイスにおいて、励起子が性能に影響を及ぼす機構の本質はまだよく分かっていない。今回我々は、緑色擬2Dペロブスカイトデバイスにおいて、三重項励起子が高効率発光のカギであり、有機カチオンによる三重項の消滅が主要な損失経路であることを示す。ホルムアミジニウム臭化鉛系の擬2Dペロブスカイトにおいて、三重項エネルギー準位が高い有機カチオン(フェニルエチルアンモニウム)を用いることによって、高効率三重項ハーベスティングが可能になった。さらに我々は、三重項から一重項へのアップコンバージョンが起こり得るため、電気的に生成した励起子の100%ハーベスティングが可能になり得ることを示す。今回の緑色(527 nm)デバイスでは、外部量子効率が12.4%、電流効率が52.1 cd A−1に達している。

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