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広帯域ミー駆動ランダム擬似位相整合

Nature Photonics 14, 12 doi: 10.1038/s41566-020-00701-x

反転対称性を持たない高品質結晶は、3波混合による光周波数変換を実現する従来型プラットフォームである。バルク結晶では、効率の良い波動混合は位相整合構成に依存するが、マイクロスケールやナノスケールでは、非線形光物質相互作用を増強させる共鳴機構が必要である。一般的に、こうした戦略は波長特異的な性能や狭帯域応用につながる。非線形光学結晶のランダム集合体からなる無秩序フォトニック材料は、ランダム擬似位相整合領域において広帯域調整を可能にするとともに、高品質材料を必要としない。今回我々は、チタン酸バリウムナノ結晶のボトムアップ型集合によって実現された数マイクロメートルのミー共鳴球においてランダム擬似位相整合を実行することによって、共鳴と無秩序性を組み合わせた。第二高調波生成の測定によって広帯域と共鳴的波動混合の組み合わせが明らかになっており、ミー共鳴が第二高調波生成を駆動し増強する一方で、無秩序性が位相整合条件を緩和し続ける。今回のナノ結晶集合体は、バルク結晶のコヒーレンス長を超えて、目的に合ったマイクロスケールの位相整合を実現する新たな機会をもたらす。こうしたナノ結晶集合体は、改変することで近紫外域から赤外域への周波数変換を実現でき、安価であり、大表面積に対応できる。

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