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ファンデルワールス物質からの調整可能な自由電子X線放射

Nature Photonics 14, 11 doi: 10.1038/s41566-020-0689-7

調整可能なX線放射源は、基礎科学、医学、工業において撮像や分光法に広く用いられている。高度に調整可能な実験室規模の高輝度X線源の需要の高まりは、新しい基本的なX線発生機構に関する研究の動機付けとなっている。今回我々は、例えば透過型電子顕微鏡から得られる適度に相対論的な電子を照射すると、調整可能なX線生成のためのプラットフォームとしての機能をファンデルワールス物質が果たせることを実証する。放射スペクトルは、入射電子の加速電圧の調整だけでなく、ファンデルワールス物質の格子構造を調節するという今回提案した方法によっても精密に制御できる。我々は、両者の方法の実験結果を報告し、ファンデルワールス物質WSe2、CrPS4、MnPS3、FePS3、CoPS3、NiPS3からのX線放射のエネルギーの調整可能性を見いだした。今回の知見は、X線物理学の新奇現象を探求するための、ファンデルワールスヘテロ構造などの原子超格子を用いる原子レベルの物質設計の概念を実証するものである。

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