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相対論的第二高調波レーザーパルスによる固体密度プラズマ中の重原子の極端なイオン化

Nature Photonics 14, 10 doi: 10.1038/s41566-020-0666-1

固体物質中の重原子の電子の大半をはぎ取るには、天体プラズマには存在するが実験室では生成するのが難しい極端な条件が必要である。今回我々は、標的の大きな深さにわたって、最大72個の電子をはぎ取った原子(N様のAu72+)の固体密度の金プラズマを実証している。この記録的なイオン化は、固体の箔や固体密度に近いナノワイヤーアレイに、1.6 μmのスポットに集束したエネルギーが10 Jを超える高度に相対論的な(3 × 1021W cm−2)第2高調波フェムト秒レーザーパルスを照射することによって実現された。短い波長と高い強度によって、1023 cm−3という相対論的臨界密度でこの相互作用を生じさせることが可能になる。固体標的は、厚さが1〜2 μmの層においてより高い平均電荷に達し、一方で、より密度が低いナノワイヤープラズマは、ナノワイヤーの先端近くに生じた高エネルギー電子によって、8 μmを超えるはるかに深い深さまで加熱される。レーザースポットを大きくすれば、He様までイオン化した固体Auプラズマを生み出すことができる可能性がある。

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