Letter

フェムト秒ソリトン分子の共鳴励起と全光スイッチング

Nature Photonics 14, 1 doi: 10.1038/s41566-019-0530-3

閉じ込め構造の出現とパターン形成は、さまざまな物理系、化学系、生物系に見られる非線形相互作用の特別な現れである。ソリトンは、光学非線形性に助けられて、分散が存在するにもかかわらず、光の超短時間閉じ込めと安定な伝播を可能にする。そうした粒子状の構造は、安定した配置で集まることができ、「ソリトン分子」を形成する。最近の研究では、分子振動に似た、こうした束縛状態の振動性の内部運動が明らかにされており、「分子」との類似性がどこまで成り立つのかという疑問、つまり、分子分光の概念がさらに当てはまるのか、そうした分子内ダイナミクスを外部から駆動したり、操作したりできるのかという疑問が生じている。今回我々は、実時間スペクトル干渉法と時間依存励起を使って、光発振器における超短束縛状態を調べ、操作した。我々は、周波数掃引ポンプ変調について、非線形応答を分析し、倍音と分数調波の生成につながる、ソリトン相互作用の非調和性を解明した。さらに我々は、より強い刺激を加えて、さまざまな束縛間隔を持つ状態間の全光スイッチングを実証する。今回の結果は、高速パルス対生成に応用でき、今後の超高速科学用装置の開発を促す可能性がある。

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