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ニオブ酸リチウム薄膜に基づく集積型広帯域分光計

Nature Photonics 14, 1 doi: 10.1038/s41566-019-0529-9

光学分光法は、波長に依存する光–物質相互作用を調べるツールであり、天文学、物理学、化学の分野で広く用いられている。現行の大型分光器の集積化や小型化は、空中や宇宙でのミッションなどの、小型であることや低複雑度が重視される応用に影響を与える。サブ波長導波路内部の空間定在波の近接場検出に基づく高分解能分光法の原理は、前述の要求の一部をかなえるのに大変有望であることが示されている。しかし、この原理に基づく小型デバイスは、定在波のアンダーサンプリングに起因して、帯域幅が強く制限される。今回我々は、可動部品に頼らずに、近赤外および短波長赤外において動作帯域幅が500 nmの集積型単一導波路フーリエ変換分光計を実証する。実装面積が10 mm2未満の試作デバイスは、完全な空間インターフェログラムを取得するために、ニオブ酸リチウム薄膜の電気光学特性を利用している。

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