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交差型ヘリカルアンジュレーター自由電子レーザーを用いたガンマ線偏光の精密制御

Nature Photonics 13, 9 doi: 10.1038/s41566-019-0467-6

偏光ガンマ線ビームは、核構造やハドロン特性に関する基本問題の研究に用いられる精密かつ選択的なプローブである。このプローブの改良には、純粋偏光状態を容易にスイッチングできる高フラックスガンマ線ビームを生成する新しい実験的方法が必要である。今回我々は、光学素子を用いずにコンプトンガンマ線ビームの偏光を精密に制御する方法を報告する。我々は、反対のヘリシティーのヘリカルアンジュレーター磁石を2つ有する自由電子レーザー(FEL)発振器を用いて、かつてない直線偏光度(PLin = 0.997)を示し偏光方向を変えられる直線偏光FELビームを生成した。我々は、このFELを光子駆動装置として用いて、左/右円偏光や回転可能な直線偏光を示すコンプトンガンマ線ビームを生成できた。直線偏光ガンマ線ビームの特性評価を行ったところ、PLin = 0.97となることが示された。今回実証した偏光制御方法は、あらゆるレベルのFEL出力での高フラックスガンマ線の生成に適している。

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