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サブ光子電圧の超低電力・高効率発光ダイオード

Nature Photonics 13, 9 doi: 10.1038/s41566-019-0463-x

従来の発光ダイオード(LED)では、キャリア密度が低いと非輻射再結合が輻射再結合を上回るため、低電流において効率が低下する。我々は、この普遍的な問題を解決するために、新しい量子井戸設計と高品質界面を用いて非輻射再結合を抑制し輻射再結合を増強することによって、非常に低い電流と電圧において高い効率を示すLEDを開発した。このデバイスは、1 × 10−4 A cm−2未満という低い電流密度で1に近い内部量子効率を示す。この電流密度は、従来のLEDと比較して3桁以上低い。LEDバイアス電圧は、光子電圧(/q)を約30%下回るまで低下している。この低電力条件でワイヤレス通信が実証されており、これによってスマートダストネットワークやセンサーネットワーク、低コストのブロックチェーンと認証、医療、さらには低電力で高効率が必要とされるあらゆる用途への新しい応用が可能になる。1というLED内部量子効率はより低い電圧・電流にまで及ぶので、高効率エレクトロルミネセント冷却などの新しい現象が可能になる。

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