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レンズフリー近接場ナノ光学顕微鏡法のための外部効率の高いナノ集光

Nature Photonics 13, 9 doi: 10.1038/s41566-019-0456-9

走査プローブによるナノメートルサイズのホットスポットを通した高効率広帯域の照明と集光は、光–物質相互作用の研究にナノスケールの空間情報をもたらす。しかし、近接場走査光学顕微鏡のプローブ、特に高分解能プローブは、面倒な光学系を必要とするが、入射光の1000分の1以下しか集光できないため応用が限られている。今回我々は、ファイバー結合ナノワイヤー走査プローブに基づく、ほぼ可視光全域にわたって外部ナノ集光効率が約50%の二段階逐次的広帯域ナノ集光技術を報告する。この技術は、ナノスケール分解能で光照射とスペクトル収集の両方が可能である。我々は、この技術を基本的なポータブル走査トンネル顕微鏡に組み込んで、レンズフリーのティップ増強ラマン分光法を実証し、1 nmの空間分解能を達成している。今回のファイバーベースのナノ集光技術によって高い性能と大きな汎用性が得られるため、ナノ光学顕微鏡法をさまざまな既存の測定プラットフォームに容易に組み込めるようになる。

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